多くの報道によると、麻疹(はしか)の感染が拡大しているようですね。
記事によっては「大流行の兆しか!?」と不安を感じさせる内容のものもありました。
報道だけでなく厚労省や国立感染症研究所のホームページを見ても、はしかがいかに恐ろしい感染症であるかが強調されています。
テレビや新聞などの主要メディアでは専門の医師にインタビューして
「感染力は最強クラス!」
「命に関わるケースも!」
と、これまた恐怖を煽るような報道が目立ちます。
もちろん僕は医療の知識など無い一般人ですので、こういった報道を見ると素直に怖いなーと思うんですけど、その反面なんかすごい違和感を感じるんですよね。
さんざん不安を煽るわりには、例年に比べて感染者は何%くらい多いのか、具体的な情報が全くと言っていいほど報道されていないからです。
「はしかの感染者が100人を超えた!大流行くるかもよ!」って言われても
「いやいや、じゃあ毎年の平均は何人くらいなのよ?」って思いません?
で、自分なりに調べてみたんです。
と言っても厚労省や国立感染症研究所の公的なデータを見ただけなんですけどね(笑)。
そしたら意外な現実が見えてきたわけです。
あ、ちなみに僕ははしかを軽視しているわけではありません。
とてもつらい感染症だと理解しているし、決してあなどってはいけないと思います。
感染拡大を防ぐために注意喚起するのも当然でしょう。
ただ、客観的なデータをちゃんと伝えないで、やたらと恐怖を煽るような最近の報道に疑問を感じるんです。
楽観的になるのも危険ですが、必要以上に恐れてパニックになるのもまた危険だと思うので、今回いろいろと調べてみました。
感染者数の推移
最近のはしかのニュースで最初に疑問を持ったのは、町田の病院で女性の感染が確認された時でした。
すでに感染していた人が病院を訪れた時に、そこに来ていた女性に感染したという事です。
ニュースで盛んに「はしかの感染力はインフルエンザの10倍!」などと聞いていたので、なんでその病院名を公表しないのか不思議でなりませんでした。
だってインフルエンザの10倍ですよ?
毎年自分の周りでインフルエンザにかかる人って何人かいたりしますよね?
しかも多くの人が毎年予防接種を受けているにもかかわらず、毎年流行している。
それの10倍の感染力ってヤバくないすか?
生命の危険性もあるなら、さっさと病院名を公表して周辺の住民に何らかの対策をするべきだと思うんですけど。
しかし、どうもそんな様子はないし、町田周辺でその後に感染が拡大したというニュースもない。
とにかくワクチンを打てとしか言わない。
いや、ワクチンを否定するつもりは全くないし、打ってない人は打つべきでしょう。
でもそれはそれとして、現状は一体どうなってんの?と思って国立感染症研究所のホームページを見てみたんです。
すると以下のデータがありました(クリックで拡大)。
出典:国立感染症研究所
このグラフを見てわかるように、今年の感染者数はここ数年間では確かに少なくない人数ですが、特別多いわけでもないんですよ。
まずはこれが意外でした。
報道だけ聞いていると、あたかも今年は爆発的に感染者数が増えているかのような印象を受けますが、実際は例年より少し多めという感じですよね。
次に2010年以降の1月から今の時期までの感染者数をまとめてみました。
年 | 2010 | 2011 | 2012 | 2013 | 2014 | 2015 | 2016 | 2017 | 2018 |
感染者数 | 176 | 206 | 112 | 119 | 324 | 20 | 6 | 157 | 125 |
出典:国立感染症研究所のデータより管理者作成
うーん、2015年と2016年は突出して少ないですが、全体的に見るとやっぱり今年が特別多いわけではないですね。
もちろん、あくまでこれは現時点での数字なので、この先爆発的に増える可能性もあります。
でもインフルエンザの10倍の感染力があるわりに、毎年数百万人レベルの感染者をだすインフルエンザに比べると、はしかの感染者ってずいぶん少ないですね。
いや、良いことなんですけど。
それだけはしかのワクチンの効果が絶大ということなんですかね。
免疫を持っている人が多いからこの程度で済んでるんでしょう。
でもインフルエンザも毎年多くの人が予防接種してますけどね。
あれはあまり効果がないって事なのかな・・・。
まとめ
以上、簡単にですが近年の日本国内におけるはしかの感染者数の推移をまとめてみました。
特別多いわけでもなく少ないわけでもない、いわゆる平年並みってやつですね。
個人的にはマスコミ報道などで持っていたイメージと、実際の数字のギャップに驚きました。
何度も言いますが、はしかを軽視しているわけではありません。
現在のこの感染者数も医療関係の方々のこれまでの努力によってのものだと思います。
ただ客観的・具体的なデータはきちんと示すべきですよね。
ただただ不安を煽るのではなく、危険だけど現状はこうなっているということをきちんと報道してほしいです。
どうも日本の大手マスコミは政治でも経済でもスポーツでも、客観的なデータよりも情緒的なニュースを好んで報道するようで。
例えば経済では「国の借金が1000兆円を超えた!日本はヤバい!」というアホみたいなニュースを今だに流してますよね?
僕も投資をやってますが、お金のことを少しでも学んだことのある人であれば、日本が借金を返そうと思えばいつでも返せるというのは常識です。
今すぐ返済することに意味がないからやらないだけです。
そしてその借金が日本にとってどうヤバいのか具体的なデータをださない(無いから出せないんでしょうが 笑)。
で、「やばいよ~、破綻するかもよ~!」と不安だけ煽る。
もう少しまともな報道をしてほしいですね。
僕のような一般人もネットのおかげでいろいろな情報を知る事ができるようになりましたが、雰囲気や思い込みに左右されずに客観的な情報を選び取ることが大切かも知れません。