家事・育児を時給換算って成立するの?経済の基本から考える

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「家事や育児を時給に換算すると○○万円!!」って話をよく聞きますよね?

テレビやネットでも紹介されていて、これについて色々な意見が交換されています。

「家事は仕事に比べたら楽!」

「だったら稼いで来いや!」

など、こういった意見もよく見かけますが、とりあえずここでは置いておきます。

 

個人的には家事や育児が仕事よりも楽だとは思いません。

家事だけならまだしも、そこに育児が入ってくるとめちゃくちゃ大変になります。

僕にも息子がいますが、1人で家事や育児をやるのは傍から見るよりはるかにしんどい事です。

「家事・育児は女性がやるものだ」なんて考えはさらさら持ってないし、夫婦で分担するのが当然だと思っています。

 

でも、家事を時給に換算するのはおかしくないですか?

価値観や感情論で言ってるんじゃないんです。

時給換算してお金の話になっている以上、ビジネスや経済の面からこの話がいかにおかしいのか語りたいと思います。

 

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家事を時給換算することの前提

家事・育児を時給換算するというのは、家事を労働と考えて世の中の平均賃金を参考に、どのくらいの賃金になるか試算することです。

 

前にテレビのコメンテーターが真面目な顔して「主婦(主夫)の家事・育児は時給に換算すると○○円なんです!」と熱く語っていました。

でも、もし本気でそう思っているならはっきり言ってかなりヤバイですよ!笑

この程度のロジックに何の疑問も持たないようだと、怪しい投資詐欺にコロッとだまされるんじゃないかと心配になるレベル。

この話って経済やビジネスの面から考えると、前提がすでに崩壊してるんです。

 

賃金はどうやって決まる?

そもそも賃金とはどうやって決まるんでしょうか?

もちろん事務的な手続きとしては会社が決めてますが、本質的には違います。

 

「え、会社が決めるんじゃないの?」と思うかもしれません。

考えてみて下さい。

もし会社に従業員の給料を決定する力が100%あるなら、全ての会社は法律で許される最低賃金しか支払わないはずです。でも現実は違いますよね?

 

日本のような市場経済において、賃金を決めるのは会社でもなく、国でもなく、従業員でもありません。

 

 

 

賃金とは需要と供給のバランスによって決まります。

 

これは偉そうにブログで語るのが恥ずかしくなるくらい、経済やビジネスでは基本中の基本の大前提です。

 

どんなに物やサービスを販売(供給)しようとしてもニーズ(需要)がなければお金にはなりません。

能力の高い人なら高い賃金を支払ってでも会社は雇いますし、能力がないと判断された人は雇ってもくれません。

ニーズが高まれば賃金は上がるし、ニーズが低ければ賃金も下がるんです。

 

例えばおいしいラーメン屋さんには行列に並んででもお金を払って食べたい人がたくさんいますが、まずいラーメン屋さんにはお金を払って食べに行きませんよね?それと同じことです。

 

仮にどんなに苦労して一生懸命にラーメンを作っても、お金を払って食べてくれる人がいなければその作業をお金に換算すると0円なんです。

「ラーメン屋の平均時給は○○円じゃないか!」といくら叫んだところで、売れなければ0円という現実は変わりません。

お金に換算するとはそういうことです。

どんなに一生懸命やっても、たとえ家事代行サービスの平均時給がいくらだったとしても、主婦(主夫)が家事をやることにお金を払ってくれる人がいなければ、時給換算すると0円になります。

 

「ちょっと待て。需要なら夫(妻)からの需要があるじゃないか!そもそもそれを時給に換算しようって話なんだから」と考える人がいるかもしれません。

確かに、夫を顧客と考えるならば需要と言えますね。

ただ夫を顧客と見なした瞬間から夫婦の関係は、お金を払ってサービスを利用するお客様(夫)とお金をもらってサービスを提供する業者(妻)の関係に変わります。

そしてお客様である夫には妻のサービスを利用するかしないかを選択する自由があります。

おそらく多くの夫はお金を払うくらいなら妻のサービスを利用しないで自分でやるでしょう。

またはプロの家事代行サービスを利用するだけです。

妻はサービスを提供する立場になった瞬間から、他の家事代行サービス業者と価格やクオリティの面で競争しなければなりません。

すでにビジネスとして確立している家事サービス業者とたった一人で競争して本当に利益を上げられるんでしょうか?

どちらにしても、現実には特殊な事例を除いて家庭内の家事・育児に対してお金を支払う人がいない以上、需要は無いと言わざるをえません。

 

平均賃金は○○円!と叫ぶのは自由ですが、需要のないところに賃金は発生しません。

これは感情論や価値観の問題ではなく経済の原則であり、現実です。

 

こういう話をすると必ず、

「じゃあ、家族のために家事や育児をやることに価値がないとでも言うのか!!」

とか言ってくる人がいます。

 

 

 

 

 

 

価値あるに決まってんじゃん!!

 

ここではあくまで家事をお金に換算したら0円になると言ってるだけです。

でも世の中にはお金には換算できないけど価値のあるものってたくさんありますよね?

 

ひと昔前には「思い出はプライスレス」みたいなキャッチコピーが流行りましたけど、あれと同じです。

僕にとっては嫁さんと息子と一緒に過ごす時間はかけがえのない貴重な時間ですが、その時間をお金に換算しても0円ですよ?

息子の写真や嫁さんからもらった手作りのバースデーカードは僕の宝物ですが、お金に換算したらやっぱり0円になると思います。

物事の価値ってなんでもかんでもお金で計測できるもんじゃないんです。

そもそもお金の価値自体が毎日変動してるし・・・。

 

しんどい時も家族のために一生懸命、家事や育児をやる事は時給に換算すると0円だけど、家族にとってとてつもなく価値のある事だと僕は思います。

 

労働機会の損失~?笑

ここまで需要がなければお金にはならないという話をしてきました。

するとこういう事を言ってくる人がいます。

「たしかに家事や育児をすることがお金にならないかもしれない。でも家事や育児をする時間に外に働きに出れば収入を得られるじゃないか!これは労働機会の損失だー!」

家事や育児をやっている時間に、働いていたらお金になっていたはずだという事ですね。

これもまたおかしな話です。

 

家事や育児ってお金にはならないけど、やらなければいけない事ですよね?

妻だろうが夫だろうが、生活するうえで誰かがやらなければいけない。

放棄することはできません。

 

例えば僕がゲームをやっていたとして、「君がゲームをやっている時間に仕事をすればもっと稼げるよ。ゲームなんてやってたら労働機会の損失だ!」と言われるのならわかります。

なぜならゲームはやらなくてもいい事だから。

ゲームをやめてその時間、仕事をすれば理論的には収入は増えるでしょう。

 

でも家事や育児はそうはいきません。

やめてしまえば生活が成り立たなくなります。

夫でも妻でも、誰かが家事・育児をやらざるをえない以上、どちらかの労働機会が損失するのは当然の事です。

限られた時間の中で家事・育児の時間、労働時間、自由時間をどうバランスをとっていくのかは夫婦間で話し合うべき個別の問題じゃないですかね?

どちらかが専業で家事・育児をやるのも、お金を払って代行サービスを利用するのも、夫婦共働きでやっていくのも全て各家庭で決めることです。

 

この労働機会の損失の話がバカバカしいのは、お金にはならなくてもやらなければいけない事を、わざわざお金に換算している点です。

そんな事をいちいち労働機会の損失として計算するなら、風呂に入るのも、化粧をするのも、歯を磨くのも全て労働機会の損失ということになります。

 

男女問わず1人暮らしの人は仕事や勉強をしながら自分で掃除・洗濯をやっています。

そんなの主婦(主夫)に限った話じゃありません。

1人暮らしの人達が家事をやることも労働機会の損失として計算するんでしょうか?

無意味でバカバカしい話です。

 

まとめ

以上、主に経済的な面から家事・育児の時給換算がいかに無意味な事かお話してきました。

 

「これは主婦(主夫)が家事でお金を稼げると仮定した場合、時給がいくらになるかという例えだよ」と言う人がいるかもしれません。

でも「主婦(主夫)が家事でお金を稼げる」という前提自体が成立してないので何の意味もない話なんです。

これは「僕がプロ野球選手としてお金を稼げると仮定した場合、年収は○○円だよ!」と言ってるのと同じ。

「だから何?」ってなもんですよ。

僕がプロ野球選手としてお金を稼げるという前提が成立してないでしょ?

誰も僕をプロ野球選手として雇わないのと同じように、主婦が家事をやることにお金を払う人がいない以上、例え話としてすら成り立たないんです。

何度も言いますけど、需要があればお金になるけど需要がなければお金にはならないんです。

 

でも家事を時給に換算する人達の意図はわかりますよ。

なにかと軽視されがちな家事や育児の大変さを世の中にもっと認識してほしいってことですよね?

だったら変な例えを持ち出してお金に換算したりせずに普通に家事や育児がどれだけ大変かアピールすればいいんですよ。

こんな整合性のない、例え話としても成立しない事を主張しても余計な反発を招くだけで、それこそ家事を軽視している人達に攻撃するチャンスを与えているようなものです。

 

家事や育児の大変さはやらなければわからない事です。

にもかかわらず今だに「家事・育児は女性がやるものだ」とか「家事・育児は仕事よりも楽だ」という古臭い考えを持っている人がいるのも事実でしょう。

だからと言って時給に換算してしまえば0円なんです。

家事をお金に換算することはできないけど、とても大変で大切な事だから夫婦でちゃんと分担しようとストレートに訴えましょうよ!

そしてお互いの頑張りを認めて、感謝しようって。

その方が「家事・育児を時給に換算すると○○円なんだよ!」って訴えるより、家事も仕事もお互いもっと前向きに頑張れるんじゃないかと思います。

 

以上、はやたでした!

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